【コラム⑯】くり返す膀胱炎にお悩みの方へ…

たびたびコラムでも掲載している「膀胱炎」についてですが、今回の内容はその「再発予防」についてです。

当院でも

「また膀胱炎になっちゃいました…」

「膀胱炎になりやすいんです…」

とご相談される方が多くいらっしゃいます。

膀胱炎については以前のコラムでも掲載しておりますので、病気についての詳細はこちらをご覧ください。

【コラム⑨】血尿からわかる病気~膀胱炎~

【コラム⑬】膀胱炎の治療について

 

どなたでも起こりうる病気で、くり返すと日常生活にも影響を及ぼし、お悩みの方が多くいらっしゃると思います。

そこで!!!

今回ご紹介するのが

「クランベリージュース」です!

お薬じゃなくてジュース?と思われる方も多いかもしれません。

なぜクランベリージュースなのかと言うと…

クランベリーに含まれる「キナ酸」により細菌が増えにくい環境づくりが期待でき、さらにクランベリーには「プロアントシアニジン」という物質が含まれており、これを摂取することで細菌が体内に付着しにくくなり膀胱炎になりにくい体づくりへの効果が認められているのです!

もちろん個人差はありますが、試す価値ありです!

(※治療としてではなく再発予防としてお試しくださいね。)

このクランベリージュースは、

・妊娠中や授乳中などで医薬品が使えない方

・膀胱炎をくり返す方

・お仕事などでなかなかトイレに行けない方

などの再発予防としておススメです!

詳細については院内でもご紹介しておりますので、お気軽にお尋ねください🎵

【コラム⑮】前立腺肥大症について

12月に入っても暖かい日が続いておりましたが、本日は寒波の影響で雪も降ってきて急に冬らしい寒さになってきましたね。

当院でも、暑いときはそうでもないのに、寒くなって夜間トイレに行くようになった!回数が多くなった!という症状を訴えて来院される方が少しずつ増えてきました。

夜間の頻尿にも様々な原因があります。

〇寝る前の飲水料が多い

〇尿を溜める事が出来ない

〇睡眠が浅い

などなど…

今回は、頻尿の原因として考えられる『前立腺肥大症』についてお話します。

みなさんもこの病気の名前を聞かれた方も多いとは思いますが、前立腺肥大症は、男性のみの病気で加齢に伴って前立腺が肥大し、尿道を圧迫して尿が出にくくなる病気です。

【症状】

尿が勢いよく出ない、出にくい(排尿困難)、行ってもまた行きたくなる(残尿感)、夜間に何回もトイレに行く(夜間頻尿)

【検査】

血液検査(PSA採血)、直腸診(前立腺を触診して大きさや硬さを診ます)、経直腸超音波検査(肛門からエコーの機械を入れて前立腺の大きさ、形を診ます)、尿流量検査(おしっこの勢いを確認)があります。

必要な時は内視鏡検査を行うこともあります。

【治療】

薬物療法と手術療法があります。

手術は当院では行えませんが、連携している本院で手術をします。

入院期間は7〜10日前後の予定です。

【日常生活の注意】

前立腺肥大症は、風邪薬や飲酒が原因で急に尿が出ない!ということがあります。

トイレに行っても尿が全然出ない!お腹が張っている!場合は膀胱内に多量の尿が溜まっているかもしれません。

そんな時は早目に病院を受診して下さい。

 

コロナが5類へと移行され、今年は、制限されていた忘年会の開催など、飲みに行く機会が増えた方も多いのではないでしょうか?

寒暖差が激しくなり体調を崩す方もいらっしゃると思います。

美味しくお酒を飲むために、日頃の体調管理のために、風邪薬を処方される際は必ず自分の病気を伝えて頂き、何かあれば早目に泌尿器科を受診しましょう!

【コラム⑭】検診結果(尿検査)について

新生活が始まり、もうすぐ2ヶ月が経ちます。

今までと異なる環境で過ごされる方も沢山いらっしゃると思いますが、体調崩されていませんか?

学校や保育園では検診が始まっているところもあるのではないでしょうか?

検診では必ずといっていいほど尿検査があります。

尿検査では血が混じっていないか糖や蛋白の有無、などを確認します。

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下の表は、尿検査結果の見方についてまとめたものです。

結果をもらっても、それが良いのか悪いのか、何を表しているのかが分からないという方が多いと思いますので、是非ご参考ください。

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当院では2次検診を受け付けています。

検査で精査が必要と言われた方で、検診結果をお持ちの方は、ご受診の際に持参をお願いします。

また女性の方は生理が終わって3日以降に受診をお願いします。

 

最初の診察や検査結果によっては腎臓内科の受診が必要となることがあります。

当院では本院との連携により腎臓内科の受診が可能です。

内科の受診も予約をしますのでスムーズにご案内することができます。

 

何かわからないことがあれば、いつでもご相談下さい!(^^)

 

 

 

【コラム⑬】膀胱炎の治療について

以前にも掲載したことのある「膀胱炎」ですが、実際に病院に行こうと思っても、「何科に行けばいいの?」「どんな治療をされるの?」と分からないことも多いと思います。

実際に、当院への問い合わせでも

・痛い検査はありますか?

・内視鏡や内診もあるのですか?

・女性の先生じゃないとだめですよね?

などの質問が多く寄せられます。

今回は、膀胱炎治療はどのようなものか、当院ではどのように診察を行っているかをご説明します。

 

「膀胱炎」については下記URLより以前のコラムをご参照ください。

こちらをクリック → 【コラム⑨】血尿からわかる病気~膀胱炎~

 

それでは、当院の診察の流れをご説明します。

①尿検査:必ず行う検査です。尿に細菌や炎症細胞が混じっているかを見ます。

②問診:どのような症状がいつから、どの程度あるのか、発熱があるのか、などを伺います。

③診察初診の方であれば、腹部に異常がないかなど簡単な診察を行います。

 ※内診などの衣服を脱いでもらうようなことはいたしません

④検査、処方:基本的な治療としては、抗生物質の処方を行いますが、それが適切な薬剤であるかを確認するため、はじめに尿検査で提出していただいた尿での菌の検査までは原則的に行っています。ときに膀胱炎を繰り返す方で、広く用いられる抗生物質が効かない菌(薬剤耐性菌)がついている方もおられるので、薬の選択には注意しています。 

 ※菌の検査は、患者さん自身の体に更に負担をかける検査ではありません。

 

また、特に男性高齢の女性の膀胱炎は、若い元気な女性の膀胱炎とは異なり、腎臓や膀胱に何らかの病気が潜んでいることが多いため、それを意識しながら治療は進めていきます。

当院での治療の振り返りも必要ですので、お薬を処方し、そのまま何かあれば受診してください、ということはせず、後日来院いただき、症状だけでなく尿がきれいになっているか、副作用などはないかまで確認するようにしております。

たとえ症状が改善していても、菌の検査結果でお薬が不十分と判断されれば、再発を懸念して別の抗生物質を追加することもあります

 

当院の院長の専門分野の一つは尿路・性器感染症です。

その専門知識をもって、常に適切な抗生物質の使用に留意し治療を行っております。

膀胱炎をはじめとした尿路感染症はぜひ専門医へご相談ください。

 

\ 膀胱炎は早めの治療、適切な治療が重要です /

【コラム⑫】血尿からわかる病気~ナットクラッカー症候群~

『血尿からわかる病気』の第4弾、ナットクラッカー症候群についてです。

みなさん「ナットクラッカー症候群」という病名を聞いたことがありますか?

あまり馴染みのない病名かと思いますが、10代、20代など若い世代に多くみられる病気の一つです。

これは、左側の腎臓の静脈が腹部大動脈の上を横切り、その部位を挟むように進む上腸間膜動脈が前方に走っているのですが、その挟まれ方が狭くなると、静脈の中の圧力が上昇してしまい血流が悪くなり、左側の腎臓の毛細血管にうっ血や出血を生じ、血尿が出る病気です。

その様子を身体の横から見た時に「腎静脈がくるみのように挟まれて見える」ことから、ナットクラッカー(くるみ割り)との名前が付いています。

※詳しくはイメージ図とCT画像をご覧ください。

症状としては、排尿痛などはなく血尿が出ることがこの病気の主な特徴です。

腰痛症状を伴う方もいらっしゃるため、その場合は以前にもご紹介した「結石」をまずは疑います。

検査としてはまずは尿検査を行い、その後、超音波検査、レントゲン検査を行います。

そこで、結石の有無を確認し、結石がなければ腎臓の形や血管に異変がないかも見ていきます。

その際に異常が認められればCT検査を行い、診断を行います。

 

ナットクラッカー症候群と診断されても、血尿は一時的なことが多く、経過観察となることがほとんどです。

ただ中には、出血がおさまらず貧血も進行したため、内視鏡を用いて腎臓に薬剤を注入して、止血をした方もおられます。

 

血尿にはいろいろな病気が潜んでいますので、いつもと違うなと感じたら、お気軽にご相談ください。

【コラム⑪】血尿からわかる病気~膀胱癌~

『血尿からわかる病気』の第3弾として、今回は膀胱癌についてお話しします。

有名人の方で膀胱癌を患ったというニュースもあり、膀胱癌』という病名を知っている方は多いのではないでしょうか。

今回は、その膀胱癌の早期発見のための初期症状についてや、当院での検査方法、実際の膀胱癌の実例についてもお伝えします。

当院で膀胱癌と診断される方の多くは、「血尿」症状があり受診されています。

血尿にも種類があり、目に見える「肉眼的血尿」と、見た目は普通の尿ですが顕微鏡で見て分かる「顕微鏡的血尿」があります。

肉眼的血尿の場合はご自身で気付かれて受診されることが多いですが、顕微鏡的血尿の場合はご自身では気付けず、健診等で「尿潜血」が陽性となってご受診いただくケースがほとんどです。

また、膀胱癌の特徴のひとつに、血尿でも痛みを伴わない「無症候性血尿」があります。

前回までのコラムにもあるように、「血尿=癌」というわけではありませんが、血尿の症状でご受診された方には、膀胱癌が潜んでいないかということも疑って、検査を行っていきます。

まず基本的な検査として、痛みを伴わない超音波検査(エコー)により膀胱内に腫瘍がないかを見ていきます。

そして、尿の中に癌細胞がないかを検査に出します。

こちらは、尿検査でとった尿を使って行う検査ですので、患者さんの負担になることはございません。

上記の検査により膀胱癌が疑われる場合は、内視鏡やCTの検査を行います。

内視鏡の検査は当院でも可能です。

 

【正常な膀胱内】

 

【膀胱癌】

 

 

膀胱癌が判明し、手術の必要があれば、本院である高山病院への紹介も行っております。

痛みのある場合はもちろんですが、痛みのない血尿は特に注意が必要です。

日頃から尿の様子をチェックすることで、病気の早期発見にも繋がります。

少しでもいつもと違う症状があれば、悩まずすぐにご相談下さい。

【コラム⑩】血尿からわかる病気~結石~

前回に引き続き、血尿が考えられる病気の第2弾として、今回は『結石』についてお話しします。

結石は、腎臓にできるものを『腎結、尿管にできるものを『尿管結石』、膀胱にできるものを『膀胱結石』、尿道にできるものを『尿道結石』と言います。

主な症状は、血尿・背部、脇腹、下腹の痛みを生じることが特徴です。

当院では、まず、尿検査、腎臓・膀胱エコー、レントゲン検査を行い、結石の有無や位置の確認をします。

レントゲンに写らない石もあるため、CT検査が必要となることもあります。

 

治療方法としては、小さな結石であれば尿と一緒に自然に出てくることもありますが、まずは自排促進薬(自然に排石するよう促す薬)を飲みながら、経過を診ていきます。

薬での治療が難しい場合は、『体外衝撃波結石破砕術(ESWL)』といって、体外から衝撃波を結石にあてることで石を砕く治療法があります。

この治療は高山病院でも対応可能で、日帰りまたは1泊2日での治療となります。

また、上記の治療で効果が期待できない場合は、『経尿道的尿路結石破砕術(TUL)』といって、尿道から内視鏡を入れて、石を確認し、レーザーで石を砕く治療法があります。

痛み止めの薬や座薬での疼痛コントロールが出来ない場合は、すぐに受診していただき、注射での疼痛コントロールを行います。

こちらは当クリニックでも対応可能です。

また、日祝、夜間であっても、連携している本院の高山病院は24時間対応しておりますので、そちらでご受診いただくことも可能です。

最後に…

治療はせずにそのまま経過を見ていくこともありますが、腎結石の場合は、その後も石の大きさに変化はないかなどを診るために、定期的な受診をお勧めします。

血尿、腰背部痛などの症状がある場合は、結石も疑われますので、痛みがひどくなる前に是非ご相談ください。

 

【コラム⑨】血尿からわかる病気~膀胱炎~

朝晩の気温差が段々と激しくなりましたが皆様、体調を崩されてはいませんか?

秋風が心地よい時節となりましたね。

読書の秋、食欲の秋…と色々ありますが、コロナ禍で遠くへ行けない!と、ちょっと気が滅入りますね。

 

今回のコラムは

『こんな症状が出たら、泌尿器科受診を!』

という事で様々ある症状の中から、まずは『血尿』について数回にわたって、掲載していこうと思います。

 

血尿が出ることで考えられる病気は、

1.膀胱炎

2.結石

3.膀胱癌

4.その他(ナットクラッカー症候群、行軍ヘモグロビン尿症)

などがあります。

他にも考えられる病気もありますが、当院でよく見られる病気についてお伝えしようと思います。

 

今回は、『膀胱炎』について…

一般的に膀胱炎と聞くと、

・おしっこする時の痛み

・尿が近い

・残った感じがある

といった症状を訴え、受診される方が多くいらっしゃいます。

少し症状がひどくなると、前に述べた症状以外に、血尿が出る場合があります。

 

このような症状で来院されたら、まずは尿検査を行い、炎症や細菌の有無を確認します。

また、尿の中にどんな菌があるのか、どのお薬に効果があるのか?を調べることがあります。

症状を確認したら、抗生剤を処方します。

1〜2週間後、症状が良くなっているか確認して、問題なければ終了となります。

 

何かいつもと違う…と感じたら、早めに病院を受診しましょう。

 

\ 次回は『結石』について掲載します! /

 

【コラム⑧】おちんちんが痛い…!?

毎日、うだるような暑さが続きますね。

最近当院では、子供さんの受診が多くみられます。

夜尿症、膀胱炎など症状は様々ですが、

「おちんちんが腫れて、赤くなっている」

「白っぽいカスみたいなのが付いている」

といった、症状で受診される方がいらっしゃいます。

これは「亀頭包皮炎」と言って、亀頭や包皮が感染して炎症を起こす病気です。

亀頭とは男性器の先端部分であり、包皮は男性器を包んでいる皮です。

これらが炎症を起こしてしまい、赤みや膿などの症状が起こります。

当院にご受診された際の流れとしては、まずは、診察をして、必要であれば抗生剤の内服、塗り薬などの処方があり、1週間後くらいを目処に、もう一度受診していただき、経過を診ていきます。

また、他にも「包茎では?」といった相談で受診される方も多くいらっしゃいます。

以前は、子供さんでも手術をすることが多かったようですが、今は、軟膏を塗りながらしばらく経過を診ていく事がほとんどです。

特に、3歳時検診で指摘されて当院に受診される方が、多いようです。

子供さんのちょっとした事に、何かと気になることも多いと思います。

これは?と気になることがあれば、いつでもご相談下さい(^^)!

【コラム⑦】尿検査の結果はどう見るの?

当院では、基本的には毎回尿検査を行います。

尿検査によって、炎症が起きてないか、濁りがないか、肉眼では確認できない血尿がないか、など、泌尿器科にとって必要な情報を得ることが出来ます。

診察時に尿検査の結果についての説明を行い、そのデータをお渡し致しますが、

『これってどう見たらいいの?』

『よかったの?悪かったの?』

などという質問をよく受けます。

結果を見ると、『』『+』と書いてあったり、数字が書いてあったりしますが、それが良い結果なのかどうかの判断が分からないという方が多いと思います。

今回はその見方についてご説明します。

ただし、尿検査の結果だけで全ての病気がわかるわけではありませんので、あくまでも病気発見のための参考と思ってくださいね。

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PH(ペーハー): 5(酸性)→7(中性)→9(アルカリ性)

 尿が酸性かアルカリ性かを見ます。

 これは、結石の成分の参考にもなります。

ブドウ糖: 標準値(−)

 糖尿病の指標となります。

      

白血球: 標準値(−)

 炎症の有無を見ます。

     

蛋白: 標準値(−)

 腎臓や尿路疾患の指標となります。

 高熱が出た時や、一過性の過労等で陽性(+)となることもあります。

潜血: 標準値(−)

 膀胱炎や尿路結石など、尿の通り道に異常がある場合に尿中に赤血球が混じることがあります。

 また、泌尿器系の悪性腫瘍や男性の前立腺炎でも陽性(+)となる場合があります。

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上記は代表的な検査内容です。

陽性所見(+)にて、より詳細な情報が必要な場合には、更に詳しい検査を行うこともあります。

学校や職場の健康診断で再検査になった時や気になる項目がある場合は、いつでもお気軽にご相談ください。