最近よく耳にする「梅毒」についてのお話です。
そもそも「梅毒」とはどのような病気なのでしょうか?
梅毒は細菌による性感染症です。
ウイルスでも寄生虫でもありません。
主な症状は、陰部のしこり(硬結)や潰瘍(硬性下疳)、鼠径部のリンパ節の腫れなどです。
これらの症状の多くは、痛みを伴わないことが特徴です。
性交渉を機会に発症し、その潜伏期間は3週から6週程度、概ね1ヶ月程度です。
そのまま治療しないでおくと、一旦はこれらの病状はなくなりますが、決して病気が自然に治ったわけではありません。
最初は性交で感染した部位に出てくる症状ですが、感染して3ヶ月くらいすると、今度はその梅毒の原因菌が血液に乗って体全体に運ばれ、多くは手のひらや体全体に皮疹が出現します。
梅毒の検査は主に血液検査で、決して内視鏡検査や組織採取するような辛い検査ではありません。
治療の基本は抗生物質の投与ですが、当院では基本的に、一回の筋肉注射(ステルイズ)を行います。
ほとんどの方がこの注射で完治します。
その他、内服による治療もありますが、この場合、基本的には2週間から1ヶ月ほどの期間を要します。
今、この梅毒が日本、そして福岡県でも急増しています。
妊婦さんが感染すると、お腹の赤ちゃんにも感染し、生まれた赤ちゃんも先天梅毒として、重大な病気が発症することがあります。
治療をして症状が良くなっても、治ったかどうかの判断には、採血検査が必要です。
自己判断で通院が途絶えると、知らないうちに多くの方に病気をうつすことになります。
気になる症状がある方は早めのご受診をお願いします。