『血尿からわかる病気』の第3弾として、今回は膀胱癌についてお話しします。
有名人の方で膀胱癌を患ったというニュースもあり、『膀胱癌』という病名を知っている方は多いのではないでしょうか。
今回は、その膀胱癌の早期発見のための初期症状についてや、当院での検査方法、実際の膀胱癌の実例についてもお伝えします。
当院で膀胱癌と診断される方の多くは、「血尿」症状があり受診されています。
血尿にも種類があり、目に見える「肉眼的血尿」と、見た目は普通の尿ですが顕微鏡で見て分かる「顕微鏡的血尿」があります。
肉眼的血尿の場合はご自身で気付かれて受診されることが多いですが、顕微鏡的血尿の場合はご自身では気付けず、健診等で「尿潜血」が陽性となってご受診いただくケースがほとんどです。
また、膀胱癌の特徴のひとつに、血尿でも痛みを伴わない「無症候性血尿」があります。
前回までのコラムにもあるように、「血尿=癌」というわけではありませんが、血尿の症状でご受診された方には、膀胱癌が潜んでいないかということも疑って、検査を行っていきます。
まず基本的な検査として、痛みを伴わない超音波検査(エコー)により膀胱内に腫瘍がないかを見ていきます。
そして、尿の中に癌細胞がないかを検査に出します。
こちらは、尿検査でとった尿を使って行う検査ですので、患者さんの負担になることはございません。
上記の検査により膀胱癌が疑われる場合は、内視鏡やCTの検査を行います。
内視鏡の検査は当院でも可能です。
【正常な膀胱内】
【膀胱癌】
膀胱癌が判明し、手術の必要があれば、本院である高山病院への紹介も行っております。
痛みのある場合はもちろんですが、痛みのない血尿は特に注意が必要です。
日頃から尿の様子をチェックすることで、病気の早期発見にも繋がります。
少しでもいつもと違う症状があれば、悩まずすぐにご相談下さい。